【事前準備】パワポのPDFデータをすんなり印刷会社に入稿するワザ/背景にグラデーションがあるときなどオススメ
パワーポイントのサイズ設定はいい加減
パワーポイントやワードなどのMS officeのサイズ設定はいい加減です。まず資料を作るときにしっかりと認識しておいてください。
特に印刷会社に入稿して印刷するときには要注意です。場合によっては印刷できないことすらあります。
実際にわたしは、印刷会社に勤めていたにもかかわらず、先日チラシを作る際に背面のデータを引き延ばしてくれと言われました。その時は、印刷会社さんに何とかしてもらって急場をしのぎましたが、本当にできないこともあります。
あとからやり直すことになると、一からつくるより面倒な場合もあるので、意味を理解しながら設定してください。
スライドサイズの設定の仕方
上のタブのデザインのなかからスライドのサイズを選択してください。
A4(本来は210×297)を選択してもその数字になりません。これがいい加減な点です。
また、背景が白ならあまり問題はないのですが、色がついているものだと一般に3mm余らしておく必要があります。これを塗り足しあるいはドブといいます。
図の中の黄色い部分が塗り足しです。
なお、赤い線の中が印刷可能範囲ですが、文字や画像など切れてはいけないものは10mmくらい離しておくと安全です。
理由は印刷するとき、A4ならA4の紙に印刷するわけではなく、大きい紙に印刷してから断裁するためです。その際に、ズレが生まれる可能性があるため、予防する目的で古くからこのようにしてきました。
今では、よっぽどのことがない限り、ここまでズレることはありません。
もう一つ、4色カラーで印刷する場合に版ズレを起こしていないか確認する目的もありますが、ここでは割愛します。
パワーポイントでは、機能的にトンボをつけることはできません。A4に上下左右3mmずつ足したサイズをユーザー設定します。
- 21.0cm+左右3mmずつ足したサイズ=21.6cm
- 29.7cm+上下3mmずつ足したサイズ=30.3cm
念のため補助線をつけてデザインする
A4サイズにした場合のできあがりを確認するために、補助線を引いてデザインすることをおすすめします。
場合によっては、少し小さくなりますが補助線をつけたままA4(A4以上のサイズがあるプロ仕様の方はトンボも付けてください)サイズのプリンタで出力して、補助線で切り落としてください。全体のバランスを見ることができます。
順を追って説明してきましたが、念のためテンプレートを作りましたので、必要な方はご活用ください。
最後に補助線をとってPDFとして保存
ここまできたら、パワーポイントとしてのデータは完成です。念のため、この状態でも保存してください。あとで修正を加えるときには、このパワーポイントのデータが必要です。
弊所が制作したテンプレートをお使いの場合、パワーポイントで保存したら、最後に補助線をお取りください。印刷会社も意味がわかるので、お問い合せがあると思いますが手間は省きましょう。
最後に入稿(印刷会社への原稿)用のデータを作ります。大げさに聞こえますが、保存するときに、PDFデータとして保存を選ぶだけです。このPDFのデータが入稿データになります。
印刷会社には入稿データをメールなどで送ってください。データ容量が大きい場合はファイルストレージかGoogleドライブなどを使うと便利です。
予算との兼ね合いや必要性などに応じて色校正で確認して、校了(校正の終了)または責了(修正点はあるが印刷会社に責任で校正終了)で終わりとなります。
一口メモ
皆さんは印刷会社で印刷するような画像にどれくらいのdpi(dot per inch)が必要かご存じですか?明確な決まりはありませんが、だいたい300dpi前後は欲しいところです。
web標準が72dpiですから、だいたい4倍と覚えておいてください。
dpiとは、1inch≒2.54cmの中にドット(点)がいくつ入るかということです。
つまり、webの画像を持ってくると画面ではよく見えても、印刷するとぼやけることがある理由です。
デジカメで撮るときも、鮮明に撮るには解像度が重要ですが、印刷のことを考えると大きなサイズで撮ることが重要です。
今回は少しややこしい話になりましたが、わからないことが出てきたとき、簡単なことでしたら無料でお答えしますので、気を張らずにご連絡ください。